1988年アメリカ大統領選挙の出来事。
ゲイリー・ハート上院議員は、史上最年少の46歳で民主党の大統領候補となり、予備選で最有力候補として一気に躍り出ました。
その若さや人気の大きさからジョン・F・ケネディの再来と称され、皆から愛されていたハートの状況を一変させる出来事が起きます。
アイアミ・ヘラルド紙の記者が入手したハートに関するスキャンダルです。
このスキャンダルが一斉に報じられてしまったことでハートの支持率は急落します。
予備選の当落線上から姿を消すことになったハート。
彼の運命はどうなるのでしょう。
映画「フロントランナー」あらすじ
概要
日本公開日:2019年2月1日
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:ヒュー・ジャックマン、ベラ・ファーミガ、J・K・シモンズ
あらすじ(ネタバレ無し)
1988年、アメリカ・コロラド州出身の上院議員ゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)は史上最年少46歳という若さで民主党の大統領有力候補として一気に躍り出ます。
若さとカリスマ性、そして知性も備えたハートはジョン・フィッツジェラルド・ケネディの再来と言われ、優れた政策と明快な演説で多くの人々から支持を集めていました。
ハートは妻リー(ベラ・ファーミガ)や選挙参謀を務めるビル・ディクソン(J・K・シモンズ)の献身的な支援を受けながら選挙活動を展開していきます。
しかし3週間後、マイアミ・ヘラルド紙の記者がハートの不倫スキャンダルを報じたことにより、事態は一変していくのでした。
感想
話の内容と違いテンポがとても良いのでストーリーに惹き付けられていきます。
オープニングからエンディングまで一気に鑑賞することができました。
実話に基づいた作品であること、そして興味があるアメリカ大統領選挙に関する映画でしたので面白い内容だと思っていたのですが、物足りなさを感じました。
その理由は2つ。
- ヒュー・ジャックマン演じる実在の上院議員ゲイリー・ハートの不倫スキャンダルについて踏み込まれていない
- ハート演じるジャックマンの魅力が生かされていないのが残念。
スキャンダルを報じられたハートがそれにどのように反応し、対応していくのかを詳しく描けば映画のストーリーに厚みが出そうなのに。
上院議員であるハートの視点ではなく、彼を取り巻く家族やマスコミ、選挙スタッフの視点で描かれているので、視点を変えることでより一層、映画を楽しむことができると思いました。
「フロントランナー」その後誰が勝った?
レーガンの傲慢なキャラクターにうんざりしていたリベラル層を中心に、ハートは全米の人気者となっていきました。
しかし、残念ながらスキャンダルを受けてハートは立候補を取り下げます。
その後、大統領選は共和党のジョージ・H・W・ブッシュが勝利しました。
「ヒュー・ジャックマン」への評価
ヒュー・ジャックマンはオーストラリア出身です。
シドニー工科大学卒業のインテリ!!
メディア出演した際には鼻につくような態度を一切とらないのも彼の魅力です。
明るく気さくな笑顔は誰からも好かれる要素が大きいですね。
ハンサムなルックスに甘んじず演技力を磨き、映画でも舞台でも高い評価を獲得し続けています。
だからこそ、好かれている容姿とキャラクターを存分にこの作品には活かしています。
クリーンなイメージを演じなくてもにじみ出る彼。
そんな完全無欠のジャックマンだからこそ、公明正大な聖人君主として愛されていたゲイリー・ハート役に説得力を持たせられたのではないでしょうか。
小ネタ
映画『フロントランナー』で製作、脚本、監督を務めたのがジェイソン・ライトマンです。
父親は『ゴースト・バスターズ』や『デーヴ』で知られる映画監督のアイバン・ライトマンで、母親は女優です。
南カリフォルニア大学で映画製作を学んだ後、1998年に短編映画で監督デビューを果たし、デビュー作がサンダンス映画際で上映されました。
その後も短編映画やコマーシャルを手掛け、2006年に『サンキュー・スモーキング』で長編映画の監督としてデビューします。
10代の女の子の妊娠を題材にした2007年の映画『JUNO/ジュノ』でアカデミー監督賞にノミネートされ、2009年の映画『マイレージ、マイライフ』ではアカデミー監督賞、脚色賞、作品賞にノミネートされました。


監督を務めた主な映画は『ヤング≓アダルト』、『とらわれて夏』、『ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界』、『タリーと私の秘密の時間』などがあります。
予告動画