1870年代の米ワイオミング。かつては無法者として悪名を轟かせたウィリアム・マニー。
今は若い妻に先立たれ、2人の幼い子どもとともに貧しい農夫として静かに暮らしていました。
そこに若いガンマン、キッドが立ち寄り、賞金稼ぎの話を持ちかけます。
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映画「許されざる者」
日本公開日:1993年4月17日
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、ジェームズ・ウールヴェット、モーガン・フリーマン
あらすじ（ネタバレ無し）
1881年、アメリカのワイオミング準州。
ロッキー山脈を臨むビッグ・ウィスキーという町にある酒場兼売春宿で、娼婦が客であるカウボーイに顔を切りつけられる事件が発生します。
保安官リトル・ビル・ダゲット（ジーン・ハックマン）の裁定に納得がいかない年長の娼婦は、仲間の娼婦たちから集めた懸賞金1000ドルをカウボーイ2人の首に賭けることにしました。
カンザスの田舎にウィリアム・マニー（クリント・イーストウッド）が暮らしていました。
かつて殺し屋として列車強盗や保安官殺しで名を馳せていた伝説のアウトローでしたが、11年前に妻を迎えてからは農夫となり、2人の子供の父親となっていました。
しかし3年前に妻が亡くなり、農場の経営はうまくいかず、苦しい生活を強いられていました。
そんなある日、マニーはスコフィールド・キッド（ジェームズ・ウールヴェット）と名乗る若い男から1000ドルの懸賞金が賭けられたカウボーイ2人を殺しに行かないかと持ちかけられます。
初めは話を断ったマニーでしたが、苦しい生活から抜け出すためにこの話を引き受けます。
そしてマニーは、自分と同じアウトローで、今は農夫となっていた昔の仲間ネッド・ローガン（モーガン・フリーマン）に留守中の子供たちの世話を依頼しますが、懸賞金を3等分する条件でローガンも話に乗り、マニーと共にキッドの後を追うのでした。
感想
20代の頃に初めて観ましたが、あまり面白くないというのが正直な感想でした。
その理由は、西部の町にやって来た悪党を保安官やガンマンが退治していくという勧善懲悪の従来の西部劇だと思っていたからでした。
30代の時にもう一度見直してみたところ、自分なりにこの映画の良さを理解できました。
雄大な自然を映した映像、過去に犯してきた数え切れないほどの罪を背負っていることを想わせるクリント・イーストウッドの表情、モーガン・フリーマンの渋い演技が忘れられませんでした。
クリント・イーストウッド演じるウィリアム・マニーは伝説のアウトローで、列車強盗や保安官の命を奪ってきた有名な殺し屋です。
しかし、その彼は今や妻に先立たれ、慣れない農場経営に悪戦苦闘しています。
妻がいた時には慎ましくも幸せな生活を送っていたのだろうと想像でき、何よりクリント・イーストウッドの泥にまみれながらも懸命に生きる姿が胸に迫りました。
苦しい生活から抜け出すために一度捨てたはずの銃を手にするのですが、結局のところ、悪党として生きてきた者は最後まで悪党でしかないのかと思いました。
小ネタ
1992年の映画『許されざる者』は俳優クリント・イーストウッドが製作、監督、主演を務めた西部劇です。
第65回アカデミー賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、編集賞を受賞しました。
この西部劇は21年後に日本映画としてリメイクされ、2013年9月13日に公開されました。
オリジナルの設定と同時期の明治時代初期の北海道が舞台になっていて、かつて「人斬り」として恐れられていた渡辺謙演じる江戸幕府の残党が賞金稼ぎとして戦いに身を投じる様子を描いてきます。
ちなみに、邦題がイーストウッド監督の映画『許されざる者』と同じ映画があります。
1960年10月6日に日本で公開されたジョン・ヒューストン監督の映画で、『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を受賞したオードリー・ヘップバーンが出演した最初で最後の西部劇です。
ヒューストン監督の映画『許されざる者』の原題は『The Unforgiven』で、イーストウッド監督の映画『許されざる者』の原題は『Unforgiven』です。
モーガン・フリーマン他の出演作品
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